うなぎのことわざ、こんなものがある!

ものごとの段階が急上昇するとき、その急速さを表現するために用いられます。主に値段や地位、名声、株価などに対して「あの会社の業績はうなぎのぼりだ」「アイドルの人気はうなぎのぼりに上がっていった」などというように使われます。物理的な上昇、例えば「風船がうなぎのぼりに飛んでいった」などには用いないので注意が必要です。

この言葉自体はメジャーなもので日常生活でもよく使われますが、その由来を考えたことがある人は少ないかもしれません。言葉の由来には二つの説があります。一つ目は、産卵のために川をくだって海に入り、また川を遡上してくるうなぎが、どんなに過酷で急激な流れの川であっても、どんなに水が少ない川であっても必ず登ってくるというのが由来だとする説です。

滝を登るとさえいわれているそのパワフルさが意味に合致します。二つ目は、うなぎのヌルヌルとして細長い体がとても掴みにくく、人間が素手でその体を掴もうとしても滑ってしまうため人の手から脱するように上へ上へと登っていく様子を指しているという説です。こちらはとてもイメージしやすく、限りなく上へと登っていく様子が意味に合致します。普段よく使う言葉にも実は深い由来があるのです。

マニアックなことわざ「山の芋鰻になる」

続いて少しマニアックなことわざ「山の芋鰻になる」です。決して起こらないはずのことが時には起こることを例えていい、普通の人や身分の低い人が急激に出世する際にも使われます。「蕪は鶉となり山芋は、鰻になる」という言い方もあります。(蕪はかぶ、鶉はうずらと読みます。)日常生活ではなかなか使われない難しいことわざですが、「山の芋鰻になるほど突拍子なことが起きた」のように使います。言葉の由来としてはこれも二つの説があります。一つ目は、うなぎと山芋はどちらもヌルヌルとしているので、似たようなものだとして取り上げられているという説です。

ヌルヌルしているという共通点をあげることで、なぜこの組み合わせなのかという疑問にも説明がつきます。山芋は滋養強壮に良いため、「山うなぎ」といわれていたというのも理由の一つかもしれません。そのため、昔の日本ではなんと歳を経た山芋がうなぎになると信じられていたというから驚きです。二つ目の説は山芋はうなぎの隠語であったという説です。どういうことかというと仏道にはいり、肉食のできなくなった和尚さんが、うなぎを食べたいがあまり山芋だといって誤魔化していたということです。ひとつの言葉にも文化的、社会的背景をもった由来があるということです。